ザ本ブログ

読書をメインに。他、雑記などをアップしていきます。

恋に落ちたシェイクスピア / 劇団四季

以前宝塚で、「星の王子さま」をモチーフにした劇を観たことがあるんですが、ちょっと似たものを感じた。
製作ウラ話を言いますか、作者を出演させてその背景を語るみたいな。


恋に落ちたシェイクスピアは、「ロミオとジュリエット」ができるまでを描いたストーリーになります。
特に劇団四季の役者に推しメンがいるわけでもないので、中盤までの素人役者達の劇の練習の場面とかは、正直しんどかったです(^^;。

 

ただ、終盤の様々な課題を乗り越えながら、どうにか上演に漕ぎ着ける件はスピード感があって良かった。
また上演本番と舞台裏を、セットをクルクル回しながら同時進行で見せる演出と技術は凄かった。
コミカルながら、身分を超えた切ない恋を織り交ぜたストーリーは、とても大人向けですね。
ラストに女王が、あそこまで論理的にまとめ上げちゃうとは思わなかったけど。前半に比べて、随分明晰で物分かりがよくなったような笑。

 

「CATS」や「ライオンキング」のように、豪華な舞台セットや、有名な曲を聴いて楽しむエンタメとは、また雰囲気が異なります。

   

栃木旅行を堪能!空中ユリさんぽとか、洞窟体験とか!鮎のお刺身とジビエ料理も♪

2018年8月17~18日、東京からレンタカーで栃木県に行って来ましたよ!二日間のわりには、かなり詰め込めたと思います笑。1日目は雨模様だったので、天気の悪い時にはおすすめのプランかも。都心から近く、手軽に気分転換できる栃木旅行に、ぜひ行ってみましょー(^^)

 

目次

 

【一日目】東京→大矢資料館→宇都宮餃子さつき徳次郎本店 →宇都宮美術館 →日本一 (ジビエ料理)

 

大谷資料館

駐車場多数あり、トイレあり、飲食店も少しあり 。
台風の合間を縫って、栃木県ドライブへ!(大谷資料館、大谷観音、宇都宮美術館、ハンターマウンテン、おしらじの滝、那須観光やな)
最初は定番の大谷資料館へ。
色んなアーティストの映像や、映画の撮影で使われたりして有名ですよね。
国内の鍾乳洞は数多くあれど、人口の洞窟でこの景観の名所は、他にはないと思われます。
売店は、大谷石を利用したグッズが多数。店も販売品もオシャレで、いい意味で観光地っぽくないです。
内部はかなり寒いので、防寒対策を!

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大谷観音と平和観音

無料の市営駐車場あり、有料の駐車場に入れる必要はないです。
個人的には、こちらの方が印象的でした。
平和観音は昭和に公園に設置された、27メートルの大きさの観音様。
そして大谷観音は、驚きの1,200年前の平安時代に自然の壁面の掘られた石仏。
当時の塗装はさすがに完全に剥がれていますが、形はかなりしっかり残っています。
弘法大師が掘ったと言い伝えられているようですが、実際はシルクロードを通ってきた僧が掘ったのではないかと。
岩に掘っただけのものが現代まで残っているなんて、本当に奇跡ですよね。
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宇都宮餃子さつき徳次郎本店

駐車場は店の前の空き地に適当に停める感じ。

こちらも知る人ぞ知る名店じゃないですかね。
まず、場所が分かりづらい。田んぼの中に、ポツンと一軒、いきなり餃子の店が現れる。

 

こんな感じ

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ポツンと言いましたが、大きな古民家で中はやたら広いです。大勢で貸切ったら楽しそう笑。
肝心の餃子ですが、非常に美味!焼きたててで皮はパリパリ。農家のおばちゃん達の手作りの感じが良い。 味は、ゆず、青じそなど色々あって、オールスター定食を頼むと、7種類の味が楽しめます。
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宇都宮美術館

駐車場多数あり、トイレあり 。
すごく広くて、綺麗な美術館です。広すぎて、駐車場からはちょっと遠い笑。周辺は森に囲まれています。
企画展では、ジョルジュ・ルオーを展示。
以前見た時、絵具の重ね塗りすげーなと思ったけど、今回もやはり塗り込んでました笑
描いた時代によって、暗い作品あり、色彩の美しい作品あり。
近づいて見ると、何を書いてあるか分からないのに、離れて見て初めて人と認識できたりするのが不思議。

 
常設展示では、かなり大きいサイズの現代画家の絵が印象的でした。
収蔵作品には、マグリットシャガールカンディンスキーデュフィパウル・クレーなどがあるそう。
全部大好物!
今回はシャガールデュフィがなくて残念。
マグリットの最も有名な作品の一つ、「大家族」がここにあったとは!
心ゆくまで堪能しました・・。地方美術館の最大の長所は、人が少ないことですよね。

んで美術館の併設のカフェも好きなんです。
ルオーの企画展にちなんだ、やたら豪華な「ジョルジュ・リング」をオーダー。
1個だけにして良かった。普通に二人分です笑
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日本一

なんとマスターが自ら猟を行うジビエの店。
でもから揚げとかお刺身とか、普通の料理もいっぱいあります。
6時に店が空くのに、マスターが中々帰ってこない笑。
客が少ないせいか、おばちゃんがマシンガントークで話しかけてきます笑。すごく気の良さそうな人。
結構有名人が来るらしく、般若、RIZEモンキーマジック大泉洋とかが来たことあるとか。
ジビエは鹿刺身と猪の串焼きを注文。
鹿は全く臭みがなく、美味!野生なのでほぼ赤身なんだけど、コクがあります。
猪は牛と豚の中間、いやいいとこどりか。コシがあるけど柔らかく、脂が乗っているのにしつこくない。
今まで味わったことのないものでした。熊鍋も気になるなぁ。でも、要予約とのこと。
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鹿刺身!ニンニク醤油で。焼酎がたまらなく合う。
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イノシシの串焼き!脂たっぷりなのにしつこくない。最高。
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【二日目】ハンターマウンテン→おしらじの滝→那須観光やな

 

ハンターマウンテン

冬はスキー場なんですが、夏場はゆり博覧会(7月中旬~8月中旬)を開催しているとのこと。
車で宇都宮市街から一時間半ほど。結構な山道を登っていきます。
下りると、8月中旬なのに寒い!防寒具は、必須です。
ゆりを見に行くには、リフト(片道600円)に乗る。
夏にスキーのリフトに乗るのも新鮮ですが、眼下にはゆりが咲き乱れています。
ゆりの上を空中散歩してるみたいな写真。
山頂にもゆりが各所に咲いており、山の景観とのマッチングが非常にいい!
ハンモックもあったりして、のんびり過ごすことができます。
帰りは気持ちのいい草原を歩いて下ることができます。
自分は気付かずに、帰りのリフト券を買ってしまいました笑。寒かった(^^;
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おしらじの滝

駐車場は少ない、トイレ・自販機等なし。
ハンターマウンテンから、1時間弱のところにある滝。
まだ、マイナースポットと言っていいですかね。
ここは、滝というより滝つぼ、池の部分がメインになります。
かなり険しい山道を車で進み、駐車場から15分ほどそこそこ厳しい道を下りると、突如それは現れます。
なぜか、その滝つぼだけ真っ青なんですよね。どう撮っても、美しくしか撮れない。
下りていく道から見下ろすのも綺麗ですが、足元に気を付けながら、左手に回り込んでいくと、より水に近づけます。
すごい透明度!間近で見ても真っ青だし、水底までクリアに覗けます。
滝までの道のりは、木々が鬱蒼と生え薄暗いのですが、滝つぼは木漏れ日が差し込むんですよね。
日が差し込んだ時の美しさはひとしお!ここは、晴れの日に必ず行くべきと思います。
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那須観光やな

栃木の上流の川沿いには、やなと呼ばれる鮎を取る箇所がいくつもあるんですね。
昔ながらの仕掛けで鮎を生け捕る。
つかみ取り体験もやっているけど、その際は川の少し上から鮎を放流するようです。
さっそくご賞味。まずは鮎のお刺身から。
川魚のお刺身なんて鮮度抜群じゃなきゃ、絶対食べられないですよね。
小さめに薄切りされたお刺身は、臭みは全くなく、コリコリした食感がたまらない。
脂がすごく乗っているわけでもないのに、しっかり味がある。
自分はお刺身好きなのですが、なかなか似た魚が思いつかないですね。
強いて言うなら、すごく脂の乗った、新鮮なタイとか。でもあの食感は似てないしなー。
塩焼きも、正直驚きの味だった!
ヤマメともイワナとも違いますね!やはり川魚の王者は鮎なのか。赤身の差したラインが皮が美しく、ほんのりと甘み
があるような味に、適度に振られた塩がたまりませんな。ビールおかわり!
フライも美味!でも、ちょっと鮎感が分からないかも。
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永遠の僕たち / ガス・ヴァン・サンド監督 加瀬亮 出演〈2011年〉

非常に難解な作品。日本と欧米で評価が分かれるとも。

 

登場人物は末期の脳腫瘍の少女。事故で両親を失った少年。少年にしか見えない、特攻隊の少年の幽霊。

 

ほとんど3人だけで、物語は進みます。

 

このメンバーで、どんなストーリー展開が可能なのか、本当に謎でしょう笑。

導入は少年が、自分に関係のない他人のお葬式に勝手に参加している場面から始まります。そこで末期の脳腫瘍の少女に出会い、二人はいびつながらも、親密な関係になっていく。

 

一見ワケの分からない、登場人物とストーリーですが、物語が進むにつれ意味を帯びてきます。少年は両親と共に事故に遭い、一人だけ生き残ったものの、意識不明の間に葬儀が終わってしまった。従って、彼は親の死に目に会えず、別れを惜しむことができなかった。不条理な死の意味を知りたくて、彼は他人の葬儀に参加していた。彼にとって、両親の死は不条理で無意味に思えた。特攻隊の亡霊は、死に意味付けをした死者の代表として、顕れていたのではないか(特攻が強制だったかの議論は、ここでは不要。あくまで少年の認識の存在なので)。

 

また、少女は余命先宣告を受け間近に迫る死に対し、自分なりに意味を見いだそうとしていた。彼女はダーウィンの進化論を好んだ。進化論の中では淘汰された動物でも、「それが最適ではなかった」ことを示す礎と考えることができるからだろうか。

 

このように、荒唐無稽に思える設定や描写の中に、二人の死生観に対する模索の比喩が込められている。

 

正直予備知識なく観賞すると、かなりワケが分からないです(少なくとも自分は)。
後から考察を読むと、なるほどーってなる作品。読み解きが好きな方は、ぜひ見てみて下さい。

ラッシュ プライドと友情 / ロン・ハワード監督、ピーター・モーガン脚本、出演クリス・ヘムズワース、ダニエル・ブリュール

F1レースなんて成金の娯楽でやってるんだろうと、一切興味なかったのですが。
本作でちょっと認識が変わりましたよ。

 

まずF1って名前しか知らなかったんですけど、実際はF3からあるんですね。それからF2を経て、夢のF1を目指すと。
また、金の使い道のない成金の道楽でやっているのかと思えば、レーサーはスポンサー探しに必死だし、スポンサーは資金繰りに必死。また車体やエンジンを作るメーカーも、試合の勝敗に自社の命運を賭けており、勝った時のシャンパンファイトやらレースクイーンやらの華やかな表舞台の裏は、非常に泥臭い世界なんですね。

 

何よりレースは命懸け。
危険や刺激を好む男は一定数いるものですが、彼らは少々気が狂っているとしか思えない状況に身を置いてますね。
高出力のエンジンをフルに稼働させ、一瞬の瞬きでクラッシュする数百キロのスピードで、相手の車体を躱し、コーナーを駆け抜ける。
最悪なのは車体の軽量化のために、コクピットがガソリンタンクに囲まれていること。
実際、本作の主人公にの一人、ニキ・ラウダは宿敵ハントとの悪条件下でのレースで車体が大破、炎上し、数分にわたって400度の猛火の中で蒸し焼きになった。

 

もちろん無事なはずはなく、一命は取り留めたものの全身大やけどを負い、顔も焼けただれてしまっていた・・。
こうした技術力の切磋琢磨の上に、我々の乗用車での快適なドライブは成り立っているのかも知れないですね。戦争は科学技術を飛躍的に向上させますが、ここまでシビアなレースは、少なくとも車体やエンジンという限られた分野と言えど、大いに技術発展に貢献をしているのではなかろうか。

 

飛躍のウラに、狂気アリですね。

ミリオンダラーベイビー / 主演・監督 クリント・イーストウッド

このテーマには、自分はいつも結論が出せないですねー・・。

 

本作では、さして若くもない女性がボクシングに出会い、良きトレーナー(フランキー・ダン)の下で、華やかな成功を収める。
が、王座を狙う試合で、チャンピオンに悪質ない反則を受け、再起不能に。しかも全身麻痺で寝たきり状態に、なってしまう。

 

ボクサーとしての過程は、本作にとっていわば前座に過ぎず、主題はここから。
若くして寝たきりになり、ボクシングどころか、日常生活を送れなくなったマギー。
片足を壊死して切り落とすなど、病状は悪化の一途だが、意識ははっきりしている。
彼女は死を望むようになる。それはこうした病状を患った患者のは当たり前の反応なのかも知れないが・・。

 

彼女の場合は、人生に未練が無さ過ぎた。家庭環境は劣悪で、彼女が寝たきりになっても金の無心に来る。
ボクシングに出会うまでの彼女は飲食店のアルバイトで、生活に困り客の食べ残しで飢えを凌いでいた。
そんな彼女が優れたトレーナーに出会い、短期間でスターダムに上り詰める。眩しく華やかなリングで、大勢の観客の声援を受ける。
彼女の栄光は眩しすぎた。そして短すぎた。 
その短い栄光の時間は、彼女が彼女であった唯一の時間だった。
彼女はその眩い時間を忘れることを恐れた。いずれ意識が混濁して、その時間を忘れて生きることになったら・・。


生きている意味などないと。

 

家族とも縁を切り、親しい友人も、暖かな生活すら過ごしたことない彼女を、苦境のなかこの世に繋ぎ止めておく要素はもうなかった。この世で唯一信頼しているトレーナーのフランキーを除いて。
そして、彼女に残された唯一の望みを託すことをできるのは、彼しかいなかった。 それは、栄光の記憶を忘れない内に、この世を去ること。


トレーナーは苦悶する。彼女にとって唯一無二の存在であるはず自分が託されたことが、寄り添うことではなく、命を奪うことなのかと。

 

彼の選択したことが、同じ状況に置かれた人に取っての最適解ではない。むしろ、そうでない方向を全力で探るべきなのだと思う。
ただし、通常の倫理観を覆すに足る人生観を、人によっては備えていることがあるのだ。