ザ本ブログ

読書をメインに。他、雑記などをアップしていきます。

ワールドトリガー / 葦原大介

一回途中まで読んだ時は、絵がシンプルだしどうにも熱量がなくて、あまり面白くなかった。ですが、2回目再チャレンジすると、戦略性とか各キャラの個性が見えてきて、中々どうしてハマってしまった次第です。


皆似たような武器を使うなかでも、能力差があったりする部分が面白く、ほぼ同じ武器が多いからこそ、ブラックトリガーの特殊性が際立って、それがまた中二ゴコロを存分にくすぐるのです(私は30代です)。


最大の魅力は、シンプルで分かりやすい絵とシステムと世界観ですか。そう、全てシンプルなのです。
世界観はさすがにもうちょっと掘り下げるのかなぁ。地球以外に世界がいっぱいあって(それは宇宙ではなく)、それが飛び回ってて、地球の日本の特定の市街だけを襲ってくる。ってのはさすがにもう少し理由が欲しいところだ。

 

地下にリリィ(新世紀エヴァンゲリオン)でもいるのか。

 

ボーダーに階級があって、個人ランク戦や、チーム戦で上下があるシステムはいいですね。未知の敵との闘いという本筋に沿うサイドストーリーとしては優秀すぎる。
使徒と戦いながら、一方で部活も盛り上がってるみたいな。一作品で二度美味しいみたいな。

 

また、秀逸だなーと思ったのが、戦闘の際にはそれ用のボディ(戦闘体)が生成されるので、剣で首とか腕とか切られても、グロくないんですよね。なので、読者も戦略のみに意識を集中できると。
それだと戦闘に緊迫感がなくなる(ほぼ死なないワンピみたいに)かと思いきや、戦闘体を解除すると生身になるので、その状態だと一気に緊迫感を高められるというずるいマンガです。とにかくメインよりもサブ要素が秀逸過ぎる、今っぽい作品。

 

今後の展開によっては、伝説の作品になり得るんじゃないかと、僕のサイドエフェクトがそう言ってます。

拳闘暗黒伝セスタス、拳奴死闘伝セスタス / 技来静也

古代ローマが舞台。主人公の少年拳奴セスタスが、拳闘試合で勝ち続けて自由を勝ち取れるかというストーリー。

 

セスタスはダメージを逃がす柔軟性と俊敏さを活かした正確な打撃、運動量が豊富など拳闘者としては異質の素材ではあるが、幼さや体格が華奢である故の非力さ、打たれ弱さという課題がある。また精神面もまだまだ脆い。

 

まぁ状況が過酷過ぎるんですがね(^^;。

 

雇い主にもよるが、拳奴の生活環境は劣悪だ。
当初のセスタスの雇い主はとりわけ酷く、拳奴は檻のような場所に入れられ、家畜のように食事を与えられていた。
また拳奴同士の練習試合に負けただけで、殺されるような場面も・・。勝っても焼き印入れられたり。
まあそれが拳奴の反乱に繋がったりもしちゃうんですがね。
本作品のメインを占めるのは、やはり格闘描写です!絵は一巻の一話目から文句なく上手い!分かりやすい!
だから、人にも安心しておすすめできるんですよね。「〇巻から段々絵が上手くなるから、そこまで我慢して読んで!」、
みたいなのがないから。

 

 

豊富な格闘知識に基づく格闘描写は、正に痛快ですね。一戦一戦にバリエーションとストーリーがあって、飽きさせることがない。
そしてこの作品を語る上で、絶対に欠かせないのが、セスタスの師匠<ヌミディアの拳狼>ことザファル先生の熱いお言葉です。
先生はタダ者ではなく、キャリアは短いものの、かつては最強の拳奴と言われた人なんですね。
しかし詳細は未だに語られてはいないものの、当時のパンクラティオン(総合格闘技)の王者、<アッティカの金獅子>ことデミトリアスと異種格闘技戦をした結果、ヒザを破壊されてしまい、拳闘者としてのザファルは死んでしまったわけです。
歩くのに補助器具を必要とする割に、たまにケンカをするとちょいちょい強いんですがね。

 

このザファルの拳闘知識、経験のおかげで、セスタスは辛くも生き残り、闘いの最中の先生の解説(ほとんどモノローグの心の声ですが)で、戦闘シーンの描写にも厚みが加わるのです。
セスタスは幼少の頃よりこのザファルに育てられ、生き延びるための拳闘を心身共に叩き込まれているわけですが、まずどうやら実の子どもではないようなんですね。
なぜザファルが自分の全てを懸けて、セスタスを守り生かそうとしているかは、タイトルが変わった第2部になった今でも、詳細には明かされていない・・。かれこれ10年以上気になってしょうがないし、涙無しには読めないエピソードが今後語られることでしょう。

 

ザファル先生だけでも10,000字は語れそうですが(最早ちょっとしたレポート)、他のキャラの魅力もハンパないんです!
闘技者として、セスタスのライバルとしての重要人物がデミトリアスの息子のルスカ。セスタスとは同年代。
デミトリアスの息子なので、当然総合格闘技を身に付けており、拳闘だけで戦うセスタスの壁として、幾度も立ちはだかります。父親は皇帝の親衛隊(衛帝隊)隊長のデミトリアスなので、身分には恵まれていますが、非情な父親のせいで、セスタスとはまた違った意味での過酷な運命を背負わされています。幼少期に皇帝の身代わりにされたりね。
もう一人の主人公と言っても過言ではないでしょう!

 

いい漫画って、主人公が二人いると思いません?一歩と宮田、ガッツとグリフィス、アッシュと英二、ユウとマサキ(ショウゴ)、信と政とかね。

 

他にも格闘キャラが軒並みカッコいいんです!やはり衛帝隊は人材豊富ですね。
ちょっとダークなキャラのマケドニアのソルレオン。格闘というよりかは暗殺術のエキスパートなので、裏で暗躍するシーンが多いのですが、マトモに戦っても最強説あり!
飛んでくる矢を素手でキャッチしたり、背中を殴って相手の心臓を止めちゃう無双っぷり。

 

中二ゴコロをくすぐりますよぉ。

 

そして<神速の住人>アドニス!本作には珍しい軽薄なチャラ男キャラですが、実力はピカイチ。
才能の権化で、対戦相手が触れることすらできぬ軽快な戦いっぷりは何度見ても爽快です。彼もまた、“優速”に頼るセスタスの強力なライバルですね。

 

そして忘れてはならないのが、影の主人公と言ってもいい皇帝ネロの存在です。
セスタス、ルスカと同年代。ローマの最高権力者であるからこそ命も狙われ、母との確執もあり、本来は芸術を愛する大人しい性分の少年としては、辛い出自となってます。最近になって、将来の<暴君ネロ>としての萌芽が出てきた感はありますね。

彼がいるからこそ、当作がただの格闘漫画でなく、当時のローマの文化や歴史を学ぶことのできる重厚な物語を成り立たせていると言えます。

 

最新のストーリーでは“ローマで一番強いヤツ”、を決める大会が催され、ますます熱い展開になってます。これまで戦った相手が集結したり、更に魅力的なキャラが現れたり!難しく読まなくても、純粋にアクションがめちゃカッコいいマンガです!           


 


 

ホーリーランド / 森 恒二 <史上最もリアルな格闘マンガ>

アラフォーなのに、飲んだ帰りの電車で読んでたらなんか泣いちゃったんですよね。


イジメられ、自殺寸前まで追い詰められた主人公(神代ユウ)が、引きこもってボクシングのワンツーだけを本を読んで身に付け、ケンカを通じて自らを取り戻していくストーリー。


やはりいい作品というのは、絶望の描写が、胸に迫るものではないだろうか。いじめの描写は長いものではなかったが、人の絶望というものを、端的に表現していたと思う。

 

“無感になりたくて”自殺を試み、“閉じ込めていた、あらゆる五感が喚きだし”失敗する。死ぬことを土壇場で恐れたユウが、慌てて必死で金網の内側によじ登って戻ろうとする一幕。作者が同様の精神状態で、同じ行動をしたことがなければここまで臨場感を持っては描けないのではないか。


もう一つ、印象的なシーンがある。街でケンカをしながらも、ようやく友人を得たユウ。しかしあろうことか、その友人がヤンキーの的にされ、リンチで大ケガを負ってしまうのだ。

 

絶望し、部屋の隅にうずくまるユウ。ここで泣いたりとか、頭を抱える動作はありがちだと思うんです。ここでユウは頭に手をやり、自分の髪の毛をグシャっと掴むんです。


身に覚えがありませんか?


絶望で頭を抱える。でも誰かにすがりたい。でも一人だから、他に掴むものもない。そして自分を許せない気持ち。後悔。
そんな感情が、この動作に込められているんだと思うんです。
この繊細な描写で、僕は一気にホーリーランドが好きになりました。

 

格闘技に明るく自分でも実際やっており、どうやら街のケンカもしていたらしい作者なんですが、実際はとても内向的で繊細なことが分かります。

 

その後は、ユウが葛藤をしながらも路上で技を磨き、様々な格闘技者と試しあいます。それらの格闘技の描写と作者の解説が鋭く、<史上最もリアルな格闘漫画>、などと呼ばれたりします。

 

ここで突然ですが、独断と偏見で、ホーリーランドのベストバウトを決めたいと思います!笑
19巻の中で、タイマンだけで27戦以上あるのですが、その内のベスト3で。

 

第3位  ショウゴ VS リュウ

ある意味で、最もリアルな結末に至った一戦。
この闘いで、長きに渡ったユウとショウゴの溝は埋まるも、取返しの付かない結果も同時にもたらしました。
ユウの親友であるショウゴが、子どもの時に亡くなってしまった父親への想いや、強さへの偏ったこだわりを受け入れ決別する闘いとなりました。
これまでも決して弱く描かれていたわけではない空手ですが、ここで更なる戦略性と実戦での強さを見せます。
本来なら使うべきでない技を繰り出すショウゴは、彷徨っていた期間に犯した罪の償いを、自身に求めているようでした。
わだかまりが解けたばかりの親友が、逮捕されるのを目の当たりにするユウ。大団円に向けての加速を予見させる一戦でした。

 

第2位  ユウ VS マサキ
ほとんど正気を失っているユウを、イザワマサキが圧倒的な力で止める一戦。 ユウに取って、暗闇を照らす光であるかのような存在。
かなり初期での衝突となりましたが、路上での最高峰という試金石を示す上での欠かせない闘いでした。
はじめの一歩で言えば、宮田君と一歩が初期に戦ったような感じですね!(最後もこの二人の戦いであるべきだと思うんですが)
完全無欠に思えたマサキにも失策はあり、何より心に大きな傷を抱えていることに気付かされたユウ。
この闘いがホーリーランドの最後を飾るのに、この上ない布石であり、彩りを添えることとなります。

 

第1位  ユウ VS ヨシト

やはりこの一戦でしょう。10年ぶりに読んでも、電車で号泣してしまいました それまでの戦いとは、一線を画すものがあるんですよ・・。

 

やはり最大の魅力は、敵であるヨシトの高い実力と清々しいキャラクターでしょう!またプロを志すヨシトは、現時点でのユウの人生の先輩と言っても過言ではありません。

それまで裏の“夜の世界”でユウを導く存在であったイザワマサキに対し、輝かしいばかりの表の“昼の世界”を歩みだしているヨシト。

 

ヨシトは街への未練を断ち切るべく、街の顔であるユウに勝負を挑んだ。その姿もまた、未来のユウを予見させるものなのです。
またこの戦いは、ユウが自主的に再戦を挑んだ数少ないケースで、尚且つ純粋な動機であったのが初めてでした。 (長田戦の際は親友を侮辱され、また不本意な形で一方的にやられた陰欝なモチベーションがあった。)

 

ヨシトとの闘いの中で、ユウはそれまでの対戦者から得られた技術や経験を存分に発揮します。そして、イジメられ一人の友達もいなかった過去の自分に比べ、今の自分の中に多くの出会いが積もっていたことに 気付きます。
そして勝負は拮抗したまま決着へ・・。この勝敗には作者も悩んだのではないでしょうか。
一戦だけ切り取れば、本当にどちらの勝ちでも良かったのだと思います。しかしここは、“不良狩りは負けても必ず復活する”、ストーリー を維持するため、内容的にはヨシトを優勢に見せつつ、ユウが勝ちを拾う形を演出したのだと思います。

 

対戦後、ギャラリーは持てる全てを出し尽くした二人に、惜しみない賛辞を送ります。
負けたヨシトも納得し、今度は振り返ることなく自分の道を歩みだします。街に未練を残す者たちへ、背中を押すメッセージを 残して。

 

HUNTER×HUNTER /冨樫義博  連載中35巻 (ついにアメトークに!笑)

行き当たりバッタリで計画性のカケラもないし、たまにラフ画で掲載してくるし、休載しまくりのに、全て許せる

脈絡なく始まった章も、常に神展開に持ち込み、予想を裏切る神エンドへと収束させる技法は、この世で冨樫以外なせないもの。
コンビニで立ち読みして神回だった時は、モップ掛けする店員が近寄れないほどオーラが漏れでてしまいます笑(ちゃんと単行本は買ってますよ)。
 
ヤバかったのはやはりアリ(キメラアント)編ですかね。王と側近の緊迫感は、ドラゴンボールフリーザ編以上!そして掟破りとしか言えないブツを使ったうえに、ラストがアレとは…。いやー語りたくても語れない。もしかしたら、まだ読んでない人がいるかもですからね。
 
アメトークで、ついに「HUNTER×HUNTER芸人」やるみたいですが、芸人達の直近のハンターの感想を聞いてみたい。登場人物多過ぎで、さすがに複雑過ぎないか?(笑)
 

【2018年版】絶対読むべきオススメ漫画ランキング・ベスト18 ※30年5月5日更新

単純に、自分にとってのマンガランキングの記事を書こうと思ったんですが、意味もなく順位付けするのって、結構難しいものですね。
とゆーわけで、本記事のランキングの趣旨はこれにしました。それはズバリ、
 
「あなたに読んで欲しいマンガ」
 
いや、フツーですいません。でもね、ただ面白いってだけでランキングって作れないですよ。色んな面白さがありますからね。
 
アートとエンタメの違いってご存じですか?
エンタメはその場限りの楽しみ。
アートは一度触れたら、それを知る前の自分には戻れないもの。
 
ここではそんな作品を紹介していきます。
その作品を読んだ方の人生に、彩りを添えることを願って。
 
※ランキングのルールなど
  • 未完、完結は意識しません。
  • 同じ作者の作品もあり。
  • 全て私の主観です。
  • 随時更新していきます。
参考までに、今まで読んだマンガを下記に列挙しておきます。たんなる備忘録+これからランキングに入れたりするかも。
・魔女、SARU、リトルフォレスト、バガボンド、リアル、火の鳥アドルフに告ぐ七色いんこ三つ目がとおるジャングル大帝どろろ新撰組ブッダ、シュマリ、鉄腕アトム陽だまりの樹奇子ブラックジャックブラックジャックによろしく王様とバイキング、カイジ銀と金、最強伝説黒澤、無頼伝涯、雀聖哲也、ドリームス、GETバッカーズバクマンプラチナエンドヒカルの碁、スピナマラダ、ゴールデンカムイハイスコアガールミスミソウ、焔の眼、うしおととら、黒博物館、はじめの一歩、攻殻機動隊ロトの紋章ダイの大冒険、ホイッスル、キャプテン翼クニミツの政サイコメトラーエイジ、金色のガッシュ寄生獣ドラゴンボール結界士黒子のバスケ、め組のだいご、らんま1/2、めぞん一刻赤ちゃんと僕しゃにむにgo、ニューヨークニューヨーク、風の谷のナウシカモブサイコ100ドラゴン桜、インベスターZ、エンゼルバンク 、ドラえもんあさりちゃん、すうぱあかぐや姫、のんきくん、マジカルたるるーとくん、H2、虹色とうがらし、タッチ、赤ずきんチャチャこどものおもちゃNANA、こいつら100%、お父さんは心配性、ルナティック雑技団ちびまる子ちゃん封神演義グラップラー刃牙名探偵コナン金田一少年の事件簿、幕張、泣くようぐいす喧嘩商売課長バカ一代、魁クロマティ高校、ケンガンアシュラ、骨が腐るまで鬼滅の刃、ムーンライトマイル、銀河英雄伝説クレイモア、キムンカムイ、シャトゥーン、神の雫、ワンピース、デストロイレボリューション、テラフォーマーズもやしもん純潔のマリア僕のヒーローアカデミア、ナルト、のだめカンタービレ荒川アンダーザブリッジ、明日のジョー、ブラッディマンデー、軍鶏、血と灰の女王、ワンパンマン、blackcat、リクドウ、エアマスターハチワンダイバー、アイアムヒーロー、バナナフィッシュ、吉祥天女ドリフターズヘルシング、カフス、皇国の守護者、群青のマグメル、生者の行進、オメガドライブキングダム、arms、スプリガン、ピースメーカー、ADAMAS、サイケまたしても、マギ、岳、あずみ、静かなるドン、鋼の錬金術師銀の匙アルスラーン戦記イノサン、釣れんボーイ、RAINBOW、監獄学園、すごいよマサルさんるろうに剣心、おーい龍馬、MONSTER、20世紀少年、Pineapple army、Plutoエヴァンゲリオン、僕は麻里のなか、寄生獣暗殺教室、俺物語、彼方のアストラ、GANTZ、ぬ~べ~、聖闘士星矢、ハイキュー、ブリーチ、約束のネバーランド、猫猫ファンタジア、ハイキュー
 
 
18位 バガボンド  /井上雄彦  連載中38巻
最近展開が遅くなってしまってますが。
剣や刀で切り合う、マンガや映画や小説は数知れず。
切り合う人間の内面に、これほどまで迫った作品を他に知らない。
スラムダンクの次に、この作品を描いたとういうのが驚きですよね。
なんとゆーか球技などのスポーツは、独創性以前に型がまず大事で、賭けているのは命ではなく青春とか意地だったり生活だったりする。それも現代だったら、数多くある選択肢の中で、何となくそのスポーツを選んだりする。
対して宮本武蔵は、時代的になんの生活の保障もないし、そもそもまともな子ども時代を送らせてもらってないし、刀で斬り合って負けたら再戦はない。
そんな人間が、誰にも頼まれたわけでもなく、自らより強いヤツに死合いを挑む。自分の強さの証明のためだけに。狂ってますよね。現代と違って、勝ったら有名になるとか、儲かるとか一切ないし。
本当に進化を止めない稀有な漫画家だと思います。ぜひ一読あれ。
 
 
17位 幽遊白書 /冨樫義博  全19巻
16位 賭博黙示録カイジ(カイジシリーズ) 福本伸行 連載中65巻
シリーズ毎に分かれていますが、全部足したら65巻以上でした(笑)。
 
構成は以下の通り。
自分はカイジを長いこと、「なんかわけの分からんギャンブル漫画でしょ?」って敬遠していました。私がバカでしたカイジとは、生きる意味、そしてお金の大切さを考えさせてくれる、素晴らしい教育漫画なのです!でも、読み方を間違えるとアレなので、社会人になってから読んでほしい(笑)。
自分が感銘を受けたのは、賭博黙示録の鉄骨渡りですね。ビルの間に渡した鉄骨を渡り切ったら勝ち、落ちたら死ぬ。ただそれだけの単純なゲームの中に、濃密な人間ドラマが展開される。兵藤会長の偏った人生観が胸に痛い。ささやかな生活を営み、小さなことに喜びを感じる我々パンピーの心を、容赦なく踏みにじってきます。しかも凄い説得力。
もう一つ。なんか圧倒的な迫力で迫ってきたのは、賭博破戒録カイジのパチンコ「沼」編。パチンコ1台を攻略するだけなんですよ。それに13巻を費やす。正に圧倒的っっ...!!最早(いや、元々だが)現実にはあり得ない展開に、パチンコ1台を表現するに注ぐやたら無駄な熱量。終盤辺りの名ゼリフには、一人で読んでたのに声出して爆笑しちゃいました。この笑いのツボが一緒なら、あなたとは親友になれそうです(笑)。
 
 
15位 拳闘暗黒伝セスタス /技来静也  連載中15巻
 純粋な格闘マンガでは一番好きな作品です。
 
まずは画力が高い。
ものすごく描きこんでるわけじゃないんだけど、格闘の動作の見せ方が抜群ですね。絵が上手くても、動きがよく分からない漫画ってよくありますよね。
間違いなくこの作者は格闘技オタクで、技に対する理解度がメチャ高いんですよねえ。
主人公セスタスの悲惨な境遇をともにする、ザファル先生の言葉が、ひたすら熱く重い。
現代に生きる人にだってグサグサ突き刺さってきすよ。
あと個人的には最速の拳闘士・アドニスが好きです。アホな男って、最速とか分かりやい指標が好きですよね(笑)。
 
 
14位 DEATH  NOTE /小畑健大場つぐみ  全12巻
よくこれをジャンプでやったなという問題作。ドラえもんの独裁スイッチの、進化版?
 
名前を書いただけで、人を殺せるというお手軽さがまず問題。人を殺したことに葛藤があったのが、最初の一人だけという、サイコな主人公が問題(笑)。
そして、社会不安を引き起こす者を手当たり次第に殺していったら、戦争や犯罪が激減したという描写もマズイ。現実にやっても、おそらく似たような結果になると思うが。お前はフィリピンのドゥテルテ大統領か。
 
でも更にヤバイなと思ったのが、後半に出てきた検察官である魅上の子ども時代のエピソード。単純に言うと、いじめっこ達が事故で死んだら、クラスはとても平和になりましたと。
 
これも一つの真理ではあると思うんですがね。自分もパワハラクレーマー、モンペとかは、まあ死ねばいいのにって思っちゃうし。綺麗事言ってたって自分が被害者になれば、誰だって少しは殺意が湧くでしょ。
 
とまぁ、議論し始めたら止まらない問題作。頭のいい主人公の思考をなぞって自分も頭いい錯覚に陥ったり、気に入らないヤツを手軽に殺してくれることのカタルシスを得るもいいが、人間の根元的なことを考えさせてくれる。大学生くらいまでは、読んでほしくはないかも。
 
今は同じタッグで対照的?な『プラチナエンド』、って作品を連載してますね。主人公ライトに対して、ミライ。取り憑くのが死神じゃなくて、天使。超常の能力に条件が色々課されるのは一緒。なかなか面白いですよ。
 
 
13位 自殺島 /森恒二  全17巻
その名の通り。自殺者が増えすぎた日本で、何度も自殺を試みる者を、島流しにしちゃう話。
 
島には廃屋などはあるが、当然水から何から自分達で調達しなきゃならない、サヴァイバル生活。加えて彼らは自殺常習者であり、メンタルが弱かったりと、某かの生きづらさを抱えている。
 
生きることを放棄した彼らが、極限の生活で生き延びることはできるのか?そもそも、生きる意味を見出だすことができるのか?
非常に重いテーマではありますが、読み応えあります。作者の森恒二先生は、本当にマジメな方なんだなと思います。
 
 
12位 マスターキートン /勝鹿北星浦沢直樹   全18巻
『MONSTER』や『20世紀少年』でお馴染み、浦沢直樹の作品。
 
マスターキートン前にも『Pineapple army』という作品を書いているんですが、こちらはかなりミリタリー色の強いものになっています。
その点、マスターキートンの主人公・平賀=キートン・太一は、英国の特殊空挺部隊(SAS)の出身でありながら、大学教授として研究生活をすることを望んでおり、博識。正に文武両道であり、読者としては元軍人としてのアクションを楽しめたり、キートンの歴史や文化の知識を吸収することによって、何だか頭が良くなった気がする、とてもお得な作品です!(笑)
泣かせる回あり、深く考えさせられる回あり、1話完結方式が多いので、気軽に読むことができますよ(^^)
 
 
11位 レベルE  /冨樫義博   全3巻
これに似てる作品ってあります?
 
 20年を経ても、全く色褪せることのないウイットに富んだギャグの数々。『幽々白書』と『Hunter×Hunter』の間にこの作品が挟まってることを知る人は、今では少なそうだし、そもそも同じ作者の作品とは思えない。
 ジャンプなのに月イチ連載だったんですね。当時から、冨樫先生は自由な連載の仕方を許されていたらしい(笑)。
内容はもう、紹介のしようがありません。宇宙人と地球人の交流を、オムニバス形式で描いたもの?
とにかく読んでください。絶対に損はしない。3巻完結ですしね。
 
 
10位 僕だけがいない街 /三部けい  全9巻
 タイムリープものでは、最高峰ではなかろうか。
 
本作ではタイムリープは自分の意志では起こせず、前触れもない。そして記憶だけが飛ぶので、肉体は当時のままとなる。
この時点で斬新じゃね?(あ、ドラえもんのタマシイム・マシンがあったか)
 でも現代風の絵で、ある種リアルなコナン君体験を描いてくれるだけで、ワクワクが止まりませんよ。(主人公は当然パニックでしたが)
大人の知識や経験があったって、必ずしも子供の中で上手くやれるわけじゃない辺りもリアル。そこに不規則に起こるタイムリープに、過去の殺人事件を絡めるサスペンス要素が加味される、作者の頭の中を覗いてみたい神展開。
次作の「夢で見たあの子のために」も、面白い予感しかしません。
 
 
9位 ジョジョの奇妙な冒険 /荒木飛呂彦  連載中100巻以上
年を取らない荒木先生による、超長編能力バトル漫画。
 
もう長過ぎて勧めづらいですね。でも勧めます
 ストーリーの完成度とか、そんなんどうでもいいんです。とにかく絵柄とセリフ、これに尽きる。
 王道は3部ですね。少し通だと5部。マニアは4部か。
ジョジョリオンスティールボールランもいいですよ!つまるところ全部ジョジョですが笑。
ジョジョシリーズの永遠のテーマは、「人間讃歌」。
いくら絶望を突き付けられても、最後には必ず希望が用意されているんです。
 
予断ですが、荒木先生がマンガの書き方を指南している新書を読んだら、一コマ一コマの細部までどれだけ計算が尽くされてるかが理解できて、ますますジョジョ好きになりました!
 
 
8位 進撃の巨人 /諫山 創  連載中25巻
これまた説明不要の、大人気作品。
 
いい作品って時代を表していると思うんですよ(エヴァが世紀末を象徴していたように。あの頃、面白いコンテンツが多かったなぁ)。
今って戦後の経済成長が一段落して、失われた20年とか言われて、そして景気が良くなったと言われても実感がなかったり、つまるところ失われ続けてますよね。
絶望は減ったけど、真綿で首を絞められるかのような言い知れぬ圧迫感を感じ、何となく内向きに右傾化する各国を見ていると、あぁ壁に囲まれ得体が知れず、コンタクトも取れない巨人と戦う本作品って、上手いこと時代を捉えているなぁと思うんです。
そんな小難しいこと抜きにしても、ワイヤーアクション(笑)のカッコ良さと、謎が謎を呼ぶ舞台設定を存分に楽しんでください!
 
 
7位 スラムダンク /井上雄彦  全31巻
言わずもがなの、バスケット漫画の金字塔。
 
最近読み直したんですが、こりゃ大人になって読んでも、ただただ圧倒的ですね。
画力はもちろんとんでもないんですが、一体どれだけ深くバスケを理解すれば、あんな人体の動きを絵で表現することができるのか。とにかく圧巻。
ストーリーには触れるまでもないでしょうが、自分の好きってか気になるキャラが、何故か昔から水戸くんと彩子さんなんです笑。二人ともバスケという特殊能力がない中で、何だかすごく自立していて、このマンガを超人の戦いから現実に立ち返らせる、重要なポジションを占めてませんか?
考えすぎでしょうか(笑)
 
 
6位 プラネテス /幸村誠  全4巻
テーマは「宇宙と愛」。
 
舞台を宇宙としながらも、どのストーリーも最終的には人の営みへと帰結させる話運びが巧み。
広大な宇宙で偶然地球に産まれ、たまたま人として生きる我々。とてもちっぽけな存在に思えますが、宇宙に匹敵するものを、一人一人が生まれ持っているのです!
それは一体何だと思いますか?ぜひ、本作品で確かめてください(^^)
 
 
 5位 海獣の子供 /五十嵐大介  全5巻
このマンガを読んでから、しばらく他の作品を読む気がしなくなった。
他に類似している作品がない、独特な空気感を携えている。
 
テーマは「海と宇宙と生命」。
海の不思議さ、広大さ。宇宙と地球と海のつながり。生命の奇跡、謎。
言葉少なに、今生きているという不可解な奇跡を物語ってくる。
心が、浄化されます。
 
 
4位 キングダム /原泰久  連載中50巻
アメトークでも取り上げられた、歴史マンガ。
 
時代は春秋戦国時代。下僕の少年と、後の秦の始皇帝になる少年が、共に将軍の座と二人の共通の夢、「中華統一」を目指す物語。
キングダムさえ読んでいれば、少々ツラいことも乗り越えられます。だって、戦の場面では、前列の兵士は大体即死してますからね。何百人も。
それでも夢を追って、戦場へと討ってでる男達。
何かにチャレンジしようと思ってて、二の足を踏んでるそこのあなた。
キングダムをご賞味あれ。きっと背中を力強く押してくれますよ。
 
 
3位 ホーリーランド /森恒二  全18巻
このマンガを上位に上げる人は少ないだろう。
 
でもね、自分にとってはバイブルなんです。いや、殴り合いの喧嘩なんてしたことないんですけどね。
 イジメられ自殺寸前だった少年が、本でボクシングのワン・ツーを身につけ、“街”で自分の存在を顕していく。ありきたりなんですが、多分ちょっとメンタルな作者の心情描写の深みと、実体験に基づいたストリートファイトの解説が、アツ過ぎる!
 「史上もっともリアルな格闘マンガ」、と評されたのもうなずける。“街”で交錯する少年たちの、ケンカを介した友情に涙してください。
 
 
 2位 HUNTER×HUNTER /冨樫義博  連載中35巻
「結局ハンターかよ!」って言われちゃいそうですが、しょうがないじゃん。面白いんだもの。
 
行き当たりバッタリで計画性のカケラもないし、たまにラフ画で掲載してくるし、休載しまくりのに、全て許せる
脈絡なく始まった章も、常に神展開に持ち込み、予想を裏切る神エンドへと収束させる技法は、この世で冨樫以外なせないもの。
コンビニで立ち読みして神回だった時は、モップ掛けする店員が近寄れないほどオーラが漏れでてしまいます笑(ちゃんと単行本は買ってますよ)。
 
 
 1位 ベルセルク /三浦健太郎  連載中39巻
 

何事も、一番を選べと言われると悩むものですが、この作品に関しては譲れない。お前がナンバーワンだ、『ベルセルク』。 

序盤のグロさで音をあげそうな、ベルセルク初心者達に告げる。まずは8巻まで読め(命令)。

そこで気付くはずです。この作品はそこらのグロを売りにした浅薄な代物でない。常軌を逸した異なる才能を持ち、それが故に孤高かつ孤独な二人の男の、イビツで至高の友情賛歌であることを。

誰に勧めても、「もっと早く出会いたかった」と言わしめる作品。
未読の方が羨ましいぜ!これからこの一大叙事詩を堪能できるなんて!!