にじ色の本棚ーLGBTブックガイドー /原ミナ汰・土肥いつき

イヌだのネコだのって…。なにかがすきって気持ちこそ大切なのに。(『ふしぎなごっこ遊び』より)

 

冒頭の文はムーミンのエピソードの一つ。ネコが好きなことで悩むイヌに、ムーミンママが話した言葉だ。作者のトーベ・ヤンソン自身もバイセクシュアルであったことからか、ムーミンに登場するキャラクターも性別の曖昧なものが多い。

 

ここ数年でLGBTという言葉を、よく耳にするようになりました。二子玉川駅で、初めてユニセックストイレを見かけたり。とはいえ、ストレートな人にとっては、またまだ身近に感じられないことも事実(LGBTという言葉自体が、性の多様性を規定してしまうとの批判も根強い)。

 

その原因はカミングアウトがしづらい文化であることが大きいかと。近くにいても、話せずに抱え込んでいる人が、圧倒的多数なのでしょう。

 

本著ではトランスジェンダー(性自認が異なる人)に関わる文献が、多数紹介されています。わたし自身も、ゲイやレズという言葉を知っていても、その狭間にいる方や、志向が一人一人あまりにも異なっていることを初めて知りました。あまりにもバラバラな故に、言葉でくくることは困難であり、無意味です。

 

本の紹介と、挟まれる短いコラムがメインのため、一冊の本としては雑多な印象は否めません。しかしだからこそ、多様な性の多くをカバーできる内容となっています。自身の性に違和感のある方は、ぜひ手に取ってみてください。