ザ本ブログ

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ローマの休日(1953年) / ウィリアム・ワイラー

オススメの映画は?

と聞かれると、色々考えたあげく結局、『ローマの休日』と答えてしまう。

 

言わずと知れた名作。最高に萌えるラブコメなのに、ヘプバーンの気品とペックのダンディズムが、物語をとても大人びたものにさせています。

 

ヘプバーンが城から脱出して、馬車から顔を出すシーンが、すごく可愛かったですね。綺麗な女性でも、昔の作品だと“ファッションとかメイクが古いなぁ”と感じるのですが、ヘプバーンに限ってだけは、それがない。細身なところが、日本人向けなのかも知れませんが。当時は貧相な体型だと言われていたとも。

 

ちょっとしたアクションシーンも、やはりキュートでダンディ笑。ハラハラドキドキさせる部分も、キュンとするところも、コメディとして至高の仕上がりなのに、ラストは急に現実が立ち現れ、ちょっぴり切ない展開が待ち受けます。

 

そこがまたいいんですよねぇ。エンタメに走りすぎず、大人の事情を心得た二人が、後ろ髪曳かれながらもそれぞれの道を歩み出す。これ以上ない、最高のフィナーレだと思います。このラストがあってこそ、『ローマの休日』は、不朽の名作になったのだと、勝手に思っています。