AX /  伊坂幸太郎

 今まで伊坂作品のイメージとしては、読んでいる時は続きが気になってサクサク読んでしまうが、終わった後には何も残っていないという感想。完全にエンタメ志向なんですね。

 

 今回は友人のオススメされて読んでみたんですが、何と親子2代に渡る構成になっており、父と息子のやり取りや思い出に、鼻の奥が熱くなるものあり。伊坂先生も、年を経て作風が変わったのかなと思いました。

 

 しかし、少し時間を経てみると、どうも心に残るものがない気がする・・・。これは何かと考えてみると、文体が淡々としてシンプルなのは、作風だからいいとして、たぶん登場人物たちが、舞台装置に過ぎないからなんだろうと。

 

 構成はパズルのピースのようにバッチリ上手くはまり、その妙手には舌を巻かざるを得ないんですが、それが故に不確定要素や熱がないように感ぜられるのか。

 

 よく漫画だと、登場人物が勝手に動き出すとか聞きますが、完璧に構成されたシナリオにはそんなものは必要ないんでしょうね。自分のようにいい加減な人間は、少しばかり論理破綻し、ストーリーを脱線してても、随所で琴線に触れるものを好むのかも知れない。

 

 結論として、彼の作品は、現代ではそこそこ売れるが、多分後世には残らない?もちろん、それは良い悪いの話ではないし、本人にしてみれば大きなお世話といったところでしょうな。