身体が動かなくなることを越える、恐怖や絶望ってある? :癒されて生きる 女性生命科学者の心の旅路 /  柳澤桂子

 人間にとって、絶望とはなんでしょう。

 何かを失うこと、誰かを傷つけてしまうこと..。種々あると思いますが、その内の一つに、“病”があることは誰もが納得されることでしょう。

 

 井上武彦の「リアル」では、半身不随や筋萎縮性硬化症(ALS)のキャラクターが登場し、それぞれの絶望や戦いが描かれます。この著書の作者も、原因不明の病によって、日常生活もままならなくなってしまいます。

 

 自分(或いは多くの人?)が、どうしてこんなにも人の苦悩や絶望に関心があるのかと考えますが、単に怖いもの見たさとゆー嫌らしい一面の他に、そんな(絶望)時こそ人間の本性が垣間見れる、と考えているからではないかと。

 

 日常でちょっといい人だとかなんとかって、嘘っぽくて興味ないんですよね。余裕があるから優しく振る舞えるだけで、多少追い詰められれば、誰しも少なからず人が変わるでしょう。それがいいとか悪いじゃなく。だからこそ、ゆとりを保つために色々を備えることは大切なわけでして。

 

 この本で印象的だったのは、若いときしかできないお金の使い方もある、との言葉。人間いつ死ぬか、病に襲われるはわからない。備えも大切だが、楽しめる時に楽しんでおくのが、いかにかけがえがないことか。

 

 無駄遣いは良くないけど、若さって本当に一時なんですよね。