AZUMI、あずみ / 小山ゆう
一作目の「あずみ」は元々結構好きだったんですが、ほとんど似たテーマの二作目が連載されたのを知った時、何で全く同じテーマの物を書くんだろうと、疑問に思ってあまり関心を持っていませんでした。
でも最近マンガアプリでタダで読める機会があったので、試しの読んでみると、
これが中々面白い
ってか普通に夢中になって読んでしまいました。
以前は似たような作品の焼き直しみたいな感じを、なんとなくあまり快く思ってなかったのですが(ずっと連作で書いているジョジョの荒木先生は別格ですが)、最近以外とそういう作品が面白いことに気づき。サイコメトラーの二部もスゴく面白かったんですよねー。
きっと作家さんも、一度書いた作品でもやり残したことがあったり、こういう風にすれば良かったとか、このキャラクターのこんな一面も書いてみたい!とか、色々あるんだろうなと。
「AZUMI」は最初は、前作の続きかと思って読んでいたのですが、完全に全く別の新しい“あずみ”を描いた物語なんですね。
ほとんど無敵に近いくらい鍛え上げられていて、冷静沈着に事柄に対処し、暗殺を行っていく様は前作同様ですが、少しだけ明るく子どもっぽく、純粋さがが加味されている気がします。また生き別れた、普通の暮らしをする兄弟の向駿介を登場させ、彼の表の道をサポートする姿を対比させることで、完全に裏に徹していた前作よりも明るいイメージになりましたね。相棒のお駒さんもいい味出してます。やはり猿飛ほど、裏家業感がなくなっている。
作者はいつの時代にも、こうして裏で歴史を支え、彩った人間がいたことを描き出したいのですかね。いつの時代にも、あずみがいたと。
自分は小山ゆうの「お~い龍馬」は読んでいないのですが、本作で登場する坂本龍馬はカッコ良すぎでした!腕は立つし、人望があってお年寄りにも誰にも優しい。行動力があってユーモアに溢れ、飾り気がない。無敵過ぎるでしょ!
昨今は歴史の教科書から消える向きもあるようですが、これまで形成された“坂本龍馬”ってキャラクターのイメージは素敵過ぎですよねえ。本作でもまた登場してくれないかなと、楽しみに読むことができた。
歴史上の人物が、本当の本当はどんな人物だったかなんて、タイムマシンができるまで真実は分からず仕舞いですよねぇ・・。
|
|