ザ本ブログ

読書をメインに。他、雑記などをアップしていきます。

資本主義こそが究極の革命である 市場から社会を変えるイノベーターたち

8人のベンチャー企業家とか実業家と、著者の宇野常寛の対談をまとめた一冊。

ベンチャーとかスタートアップ界隈って、単なるサラリーマンの自分としては興味や憧れがあるんだけど、このスピード感を見るに、きっと水が合わないだろうなと思う。

 

本業でもやる事務のバリエーションが増えると、正直かったるいですからね。今の仕事もとりわけ向いているとも思ってないけど、じゃあ何ができるのかってのは、未だにピンと来ない。いい年こいて、まだ“自分探し(笑)”してるのかよって、いつも自分に突っ込んでいる。

 

人が思い付かないニッチな事業を探して、それを実現させていく行動力はすさまじい。ただ自分はあちら側の人間では、今のところないような気がする。

何がしたいかな、いい文章を書くとか、ハッとする写真を撮りたいとか。漠然としているし、人生はそこまで長くはない。何かふっと見いだすことができればいいとは思うが。それには、あらゆることに、首を突っ込んでいくしかないんだろうな。

声のサイエンス あの人の声は、なぜ心をゆさぶるのか / 山崎広子

人の声に、あらゆる角度から迫った本。

歌声はもちろん、日常の話し声、スピーチ場面。それらを性別、体格、時代、地域なども絡めて検証していく。

 

面白かったのは、日本人の女性の声が時代とともに変化していくということ。女性の社会進出が進み始めて、経済的にも豊かだった時は、女性の声は今よりも低かったらしい。そして、時代時代の女性の声を代表しているのは、アナウンサーなのだと。

一般的に、動物や子どももそうだが、弱い動物の声は守ってもらうために高いことが多いそうだ。それを今を生きる女性にそのまま当てはめていいかは分からないが、社会進出がそれなりに進んだとはいえ、給料は上がらず派遣は増え、何より経済の男女差は先進各国のなかでもトップクラスだ。

こうした不遇の状況が、人のメンタルに何も影響を及ぼしていないはずがない。男性については言及がなかったが、同じようなことが起きているのかも。それとも構造的に女性の声の方が可変度が高いとか、男は社会状況に鈍感であるとかもありそうだが。

 

構造的には、体格が大きい(声帯が長い)方が声が低くなる。男女差は、喉仏のせい。張りつめた糸より、弛んだ糸を弾いた方が音は低いので、これは理解。

また地域によっても、声の質は異なる。反響する場所の少ない砂漠地帯では、よく響く甲高い声がいい声とされる。石造りの街で反響が多いと、低く落ち着いた声が好まれる。

ヨーロッパは規則正しさ、アジアは雑然とした音を好むのだとか。紐解くだけ、どんどん面白くなる予感。

 

宗教者は声が人に与える影響を理解していて、確かに宗教的な演説のエピソードは、巨岩の前や、洞窟など音がよく響くロケーションが多いらしい。悟りを開くのも、洞窟とか多いですよね。こだまする音が、人の深層心理にもたらす効果は計り知れない。

オペラ歌手などは、全身を響かせるため、指先が振動で痺れる人もいるのだそうだ。スゴい。ポップ歌手の声も、それぞれ特徴があって、優劣付けるものでもないらしい。

 

ここまでも既にかなり興味深かったけど、本書の目玉だと思ったのが、地声と聴覚フィードバックの話。録音された自分の声って、あまり好きじゃない人が多いですよね。録音された自分の声を聞き込み、心地よい声を発見してそれを再現するように訓練すると、自分の本当の声に近づけるらしい。

 

状態にもよるけど、この手法で生活が改善されたり、人生が劇的に変わったりするケースもあるんだとか。声は振動であり波長であり、人生で一番多く聞く声が自分の声である。しかもそれは体内から発生し、否応なく全身に行き渡る。

確かに、自分の声が心からしかも客観的にも好きになれれば、心理的、体質的にさえ多大な影響を及ぼすのは想像できない話ではない。

 

声を発するメカニズムはまだまだ未知の領域が多いらしい。声帯だけで声を出すわけでは全くない。ちょっと自分の声について、改善とゆうか、もっと興味を持って接したくなった。

偽善エコロジー「環境生活」が地球を破壊する / 武田邦彦

リサイクルは環境負荷が高いとか、そこら辺のことは知っていたんですが、その他、生活に密接して環境問題の素朴な疑問について科学的・客観的に解説してくれて、とてもスッキリする一冊。

 

とゆーか、漠然と環境にいいと大半の人が思ってそうなことは、大方真逆でしたね、悲しい。例えば、

・レジ袋削減→廃油が再利用できなくなる。焼却炉が燃焼しづらくなる

・プラスチック、古紙、牛乳パック、食品トレイ、ペットボトルのリサイクル→リサイクルにかかる環境負荷の方が高い

・ゴミの分別→素人の分別は無駄。結局工場で分けている。細かく分けても、結局一緒に燃やしている。

 

これらは一部抜粋ですが、すでにかなり残念な現実がありますね。まあ大人が勘違いし、これらの意味のないことに熱心に取り組むのは勝手ですが、子どもがやらされるのは非常に残念。

ってか真実を知り実践する子どもの方がいじめられそうな現状ですよね。「なに環境に悪いことしてんだ!ちゃんとリサイクルしろ!」ってな具合に。

 

まあこのクソ暑いなか、歩道とか開放的で尚且つ人混みのない場所でも、アホみたいにマスクつ付けっぱなしの大人たちがいる世の中ですから、子どもたちに自分で考えろって言ってもシラケちゃうでしょうが。マスクを唯一神と崇めてるんだか、人目を気にしてるんだか知りませんが・・。店等の屋内と、公共交通機関だけで充分と思われます。今現在報告されている情報ではね。まぁ屋外でスレ違っただけで感染するなら、諦めるか一生引きこもるしかないですね。

 

拡散されてることが事実とは全く限らないし、状況は刻々と変わっていく。少なくとも今なにが一番真実に近いのか、各々精一杯自分で考えて、最適解を紡ぎだしていきたいものです。

御岳渓谷を散策してきました

天気やらコロナやらでなかなか登山に行けない、今日この頃。運転も足もなまっちゃうなってことで、とりあえず都内の御岳渓谷に行ってきました。

生憎の雨&曇り模様でしたが、なんとかスキ付いて河原を散策。天気が悪かったおかげで、川霧という珍しい現象を見ることができました。まあ普通こんな天気の日にアウトドアしないですもんね笑。水温が気温よりも高いと発生するんだとか。

 

・御岳渓谷。ちなみにこれは多摩川です。多摩川の上流ってこんなんなんですね。
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・とりあえず散策するも、昨年の台風の影響で途中から散策路は通行止めでした(^^;
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・多分これが川霧。空気の層が何層も重ねっているように感じられた。
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・なんとか雨のスキを見つけて散策。

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・散策終えると、車で河辺駅付近の謎のカフェへ!その名も『イチローさんの気まぐれカフェ』。
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・雑貨に統一感がなく、世界観が崩壊している笑。
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・奥多摩のゆる旅カフェ記録でした。早く本格登山に行きたいですね(^.^)。

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「狂い」の構造~人はいかにして狂っていくのか? 春日武彦・平山夢明

なんかスゴい精神医学の対談本なのかと思いきや、精神科医と小説家の二人のおっさんが、古今東西あらゆる狂人のついてひたすら好き勝手に語り合うなかなか下品な一冊。ただの変態博物館。好きです。気分を害される方も多数いると思われるが。

 

一気読みすると気分悪くなりそうだけど、かと言ってこんなんちびちび読むのもねぇ。頭おかしくなりそうです。自分は通勤電車で読んでましたが笑。

 

自分はグロ映画とかは無理なんで、あまり連続殺人犯には詳しくないんですが(普通そうか)、なんとなく聞いた殺人鬼のことが知れて、なかなか興味深かった。

マンガ・ゴールデンカムイもかなりの変態博物館だと思うんですが、人の皮で剥製を作ってた作中の江戸貝くんのモチーフがエド・ゲインだと分かったり、スリラー映画作品が好きな人なら、興味深く読めそう。

 

本書は狂った人への対抗策をなんら講じることなく、ただただ面白くちゃかしてるだけです。ま、ガチの狂人に処方せんなどないことは、なんとなく自分も知ってますが。自分の性格だって、変わらんしね。唯一の希望は、年取ると少しはマシになることが多いとか。例外は多々ありそうですが。

 

身近に困って人がいる際に本書を読むと、気休めくらいにはなるかも?なにも解決はしませんが。ヤバい人とは、なるべく適切に距離を置きましょう。