ザ本ブログ

読書をメインに。他、雑記などをアップしていきます。

このマンガを超える作品に出会えない / 『ベルセルク』三浦建太郎

何事も、一番を選べと言われると悩むものですが、この作品に関しては譲れない。お前がナンバーワンだ、『ベルセルク』。

 

序盤のグロさで音をあげそうな、ベルセルク初心者達に告げる。まずは8巻まで読め(命令)。

そこで気付くはずです。この作品はそこらのグロを売りにした浅薄な代物でない。常軌を逸した異なる才能を持ち、それが故に孤高かつ孤独な二人の男の、イビツで至高の友情賛歌であることを。

 

私はこの作品に、いつも問われつづけている気がします。真の友情は、馴れ合いでは得られない。方向は違っても、何かを追い求める者同士でなければ、分かち合えない感情があるのではないかと。

 

そして愛と友情とは、なんと複雑な関係にあるものなのか。果たして一人の人間の生で、豊潤な愛情と、煌めく友情は両立しうるものなのかと。狂気に身を委ねなければ、叶いそうもない。果てにあるのは、破滅かそれとも…。

 

緻密で深淵な世界観を舞台に、圧倒的な画力で描かれる他の追随を許さないアクションと、ガッツ先生のあまりにもシビれるセリフ回しに目を奪われがちですが、この作品の主題は、あくまで愛と友情。世界で唯一の一大叙事詩にして、最強のダークファンタジー。まだ読んでおられない方には自信を持って言えます。「人生を損している」、と。あなたの“夢のかがり火“は、まだその手にありますか?