ザ本ブログ

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ラッシュ プライドと友情 / ロン・ハワード監督、ピーター・モーガン脚本、出演クリス・ヘムズワース、ダニエル・ブリュール

F1レースなんて成金の娯楽でやってるんだろうと、一切興味なかったのですが。
本作でちょっと認識が変わりましたよ。

 

まずF1って名前しか知らなかったんですけど、実際はF3からあるんですね。それからF2を経て、夢のF1を目指すと。
また、金の使い道のない成金の道楽でやっているのかと思えば、レーサーはスポンサー探しに必死だし、スポンサーは資金繰りに必死。また車体やエンジンを作るメーカーも、試合の勝敗に自社の命運を賭けており、勝った時のシャンパンファイトやらレースクイーンやらの華やかな表舞台の裏は、非常に泥臭い世界なんですね。

 

何よりレースは命懸け。
危険や刺激を好む男は一定数いるものですが、彼らは少々気が狂っているとしか思えない状況に身を置いてますね。
高出力のエンジンをフルに稼働させ、一瞬の瞬きでクラッシュする数百キロのスピードで、相手の車体を躱し、コーナーを駆け抜ける。
最悪なのは車体の軽量化のために、コクピットがガソリンタンクに囲まれていること。
実際、本作の主人公にの一人、ニキ・ラウダは宿敵ハントとの悪条件下でのレースで車体が大破、炎上し、数分にわたって400度の猛火の中で蒸し焼きになった。

 

もちろん無事なはずはなく、一命は取り留めたものの全身大やけどを負い、顔も焼けただれてしまっていた・・。
こうした技術力の切磋琢磨の上に、我々の乗用車での快適なドライブは成り立っているのかも知れないですね。戦争は科学技術を飛躍的に向上させますが、ここまでシビアなレースは、少なくとも車体やエンジンという限られた分野と言えど、大いに技術発展に貢献をしているのではなかろうか。

 

飛躍のウラに、狂気アリですね。