ザ本ブログ

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マディソン郡の橋 / 主演 クリント・イーストウッド、メリル・ストリープ

不倫映画かぁって感じで見てたけど、観賞後の印象は中々悪くないですね。

見てる途中は二人のご年齢からして、ちょっとヌードも何だかなぁって感じだったんですが。自分の結婚生活や年齢が上がると、感想はとても変わって来そう。時代感のせいか、メリル・ストリープ演じるフランチェスカが着飾ったドレスを見た時、露出度とダサさから「痴女じゃん(笑)」、と吹き出しそうになったんですが、そんな視点で見てはいけない笑。クリント・イーストウッド演じるキンケイドの頭髪の薄さもかなり気になるし(特に雨のシーン)、カメラマンで食って行けるのも時代性だよなあ、とか思っちゃったり。

 

これが単なるいい年こいた男女の単なる不倫ストーリーだったら、まあ興味ないんですが、“母の遺書から語られるたった一度の美しい過ち”って構成がいいんですよねえ。現在進行形の生々しさがないし、子どもが中々知り得ない親の親じゃない部分を垣間見るというか。

家族も人間関係も捨てて、身一つで煌めいた世界に飛び出す選択を、思い留まってくれたんだなとか。でもそれも家族のためだけじゃなく、ゆくゆくはキンケイドと自分達のためでもある複雑さ。

 

車で先回りしたキンケイドが、信号の前で選択を促すシーンは秀逸だった!あの一瞬で言葉でなく行動で、人生の選択を迫るというね。いやー、スマホのない時代はロマンチック。カネさえあれば、世界中気軽に行けて、連絡もケータイで取り放題な今は、別れの切実さを描くのが難しいですよね。