ザ本ブログ

読書をメインに。他、雑記などをアップしていきます。

王様達のヴァイキング  / 作者: さだやす、ストーリー協力:深見真

ここまで人生に影響を与えたマンガは、実は初めてかも知れない。
舞台は現代・東京。有能な人や会社に融資を行うエンジェル投資家・坂井と、コミュ障の天才ハッカー少年・是枝のダブル主人公。


どんなパソコンにも、軽々侵入して攻撃を仕掛けることのできる是枝ですが、力の使いどころが分からない。とにかく、コードを見たり触ったりするのが、偏愛的に好きなんですね。         
そんな是枝の才能にほれ込んだ坂井氏ですが、当初は是枝がコミュ障過ぎて、中々うまくいきません。
是枝のハッキングの描写のカッコよさも本作の魅力ではありますが、坂井氏がカッコよすぎですね。         
無一文からベンチャーを立ち上げ、会社の売却で資金を得て、投資家として活動。自分の感性で可能性のある人や事業に目を付け、ピタリとはまったら、そこから利潤を得る。         

 

こんなわくわくする仕事、現代に他にあります?笑         
金欲しいなぁ、投資家になりてぇなあって心から思いましたよ。         
物欲はないんですけどね。車はレンタカーかカーシェアでいいし、家も賃貸でいい。 誰かのために、カネを使ってみたいですよ、ホント。

鬼滅の刃 / 吾峠呼世晴

いまどきの少年マンガとしては、ちょっと異色な作りですかね。
でもこういう日本の昔の文化が全開のマンガは、定期的に出されて欲しい。
ナルトとかぬらりひょんとか。古くは鬼太郎とか。妖怪とか、忍者系ですね。んで、舞台がちょっと昔っぽいの。
スクリーントーンも控えめだと手作り感があって、なお良い笑。


本作は、絵の感じも古いし、ギャグもなんか古い。そして主人公が地味!笑
でもなんか読ませるんですよねえ。
印象的なのは、主人公の心理描写がかなりくどい。考えてる言葉を全て書いている感じですね。
その描写が戦いの場面に、緊迫感を与えているような気がします。
技も色々あるのに、習得したエピソードもあまりなく次々出てくる不思議。


アニメ化もされましたね。一話を早速見ましたが、これは想像以上にいいぞ!マンガの絵柄はちょっと粗削りなのですが、アニメではとても綺麗になっている。主人公もカッコよくなってる笑!色使いもいいし、手抜き感がない。オープニングも期待できるなあ。声優もいい感じだと思う。柱たちの登場が楽しみ。

AZUMI、あずみ / 小山ゆう

一作目の「あずみ」は元々結構好きだったんですが、ほとんど似たテーマの二作目が連載されたのを知った時、何で全く同じテーマの物を書くんだろうと、疑問に思ってあまり関心を持っていませんでした。

でも最近マンガアプリでタダで読める機会があったので、試しの読んでみると、

 

これが中々面白い

 

ってか普通に夢中になって読んでしまいました。

以前は似たような作品の焼き直しみたいな感じを、なんとなくあまり快く思ってなかったのですが(ずっと連作で書いているジョジョの荒木先生は別格ですが)、最近以外とそういう作品が面白いことに気づき。サイコメトラーの二部もスゴく面白かったんですよねー。

きっと作家さんも、一度書いた作品でもやり残したことがあったり、こういう風にすれば良かったとか、このキャラクターのこんな一面も書いてみたい!とか、色々あるんだろうなと。

 

「AZUMI」は最初は、前作の続きかと思って読んでいたのですが、完全に全く別の新しい“あずみ”を描いた物語なんですね。

 

ほとんど無敵に近いくらい鍛え上げられていて、冷静沈着に事柄に対処し、暗殺を行っていく様は前作同様ですが、少しだけ明るく子どもっぽく、純粋さがが加味されている気がします。また生き別れた、普通の暮らしをする兄弟の向駿介を登場させ、彼の表の道をサポートする姿を対比させることで、完全に裏に徹していた前作よりも明るいイメージになりましたね。相棒のお駒さんもいい味出してます。やはり猿飛ほど、裏家業感がなくなっている。

作者はいつの時代にも、こうして裏で歴史を支え、彩った人間がいたことを描き出したいのですかね。いつの時代にも、あずみがいたと。

 

自分は小山ゆうの「お~い龍馬」は読んでいないのですが、本作で登場する坂本龍馬はカッコ良すぎでした!腕は立つし、人望があってお年寄りにも誰にも優しい。行動力があってユーモアに溢れ、飾り気がない。無敵過ぎるでしょ!

昨今は歴史の教科書から消える向きもあるようですが、これまで形成された“坂本龍馬”ってキャラクターのイメージは素敵過ぎですよねえ。本作でもまた登場してくれないかなと、楽しみに読むことができた。

歴史上の人物が、本当の本当はどんな人物だったかなんて、タイムマシンができるまで真実は分からず仕舞いですよねぇ・・。

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ワールドトリガー / 葦原大介

一回途中まで読んだ時は、絵がシンプルだしどうにも熱量がなくて、あまり面白くなかった。ですが、2回目再チャレンジすると、戦略性とか各キャラの個性が見えてきて、中々どうしてハマってしまった次第です。


皆似たような武器を使うなかでも、能力差があったりする部分が面白く、ほぼ同じ武器が多いからこそ、ブラックトリガーの特殊性が際立って、それがまた中二ゴコロを存分にくすぐるのです(私は30代です)。


最大の魅力は、シンプルで分かりやすい絵とシステムと世界観ですか。そう、全てシンプルなのです。
世界観はさすがにもうちょっと掘り下げるのかなぁ。地球以外に世界がいっぱいあって(それは宇宙ではなく)、それが飛び回ってて、地球の日本の特定の市街だけを襲ってくる。ってのはさすがにもう少し理由が欲しいところだ。

 

地下にリリィ(新世紀エヴァンゲリオン)でもいるのか。

 

ボーダーに階級があって、個人ランク戦や、チーム戦で上下があるシステムはいいですね。未知の敵との闘いという本筋に沿うサイドストーリーとしては優秀すぎる。
使徒と戦いながら、一方で部活も盛り上がってるみたいな。一作品で二度美味しいみたいな。

 

また、秀逸だなーと思ったのが、戦闘の際にはそれ用のボディ(戦闘体)が生成されるので、剣で首とか腕とか切られても、グロくないんですよね。なので、読者も戦略のみに意識を集中できると。
それだと戦闘に緊迫感がなくなる(ほぼ死なないワンピみたいに)かと思いきや、戦闘体を解除すると生身になるので、その状態だと一気に緊迫感を高められるというずるいマンガです。とにかくメインよりもサブ要素が秀逸過ぎる、今っぽい作品。

 

今後の展開によっては、伝説の作品になり得るんじゃないかと、僕のサイドエフェクトがそう言ってます。

拳闘暗黒伝セスタス、拳奴死闘伝セスタス / 技来静也

古代ローマが舞台。主人公の少年拳奴セスタスが、拳闘試合で勝ち続けて自由を勝ち取れるかというストーリー。

 

セスタスはダメージを逃がす柔軟性と俊敏さを活かした正確な打撃、運動量が豊富など拳闘者としては異質の素材ではあるが、幼さや体格が華奢である故の非力さ、打たれ弱さという課題がある。また精神面もまだまだ脆い。

 

まぁ状況が過酷過ぎるんですがね(^^;。

 

雇い主にもよるが、拳奴の生活環境は劣悪だ。
当初のセスタスの雇い主はとりわけ酷く、拳奴は檻のような場所に入れられ、家畜のように食事を与えられていた。
また拳奴同士の練習試合に負けただけで、殺されるような場面も・・。勝っても焼き印入れられたり。
まあそれが拳奴の反乱に繋がったりもしちゃうんですがね。
本作品のメインを占めるのは、やはり格闘描写です!絵は一巻の一話目から文句なく上手い!分かりやすい!
だから、人にも安心しておすすめできるんですよね。「〇巻から段々絵が上手くなるから、そこまで我慢して読んで!」、
みたいなのがないから。

 

 

豊富な格闘知識に基づく格闘描写は、正に痛快ですね。一戦一戦にバリエーションとストーリーがあって、飽きさせることがない。
そしてこの作品を語る上で、絶対に欠かせないのが、セスタスの師匠<ヌミディアの拳狼>ことザファル先生の熱いお言葉です。
先生はタダ者ではなく、キャリアは短いものの、かつては最強の拳奴と言われた人なんですね。
しかし詳細は未だに語られてはいないものの、当時のパンクラティオン(総合格闘技)の王者、<アッティカの金獅子>ことデミトリアスと異種格闘技戦をした結果、ヒザを破壊されてしまい、拳闘者としてのザファルは死んでしまったわけです。
歩くのに補助器具を必要とする割に、たまにケンカをするとちょいちょい強いんですがね。

 

このザファルの拳闘知識、経験のおかげで、セスタスは辛くも生き残り、闘いの最中の先生の解説(ほとんどモノローグの心の声ですが)で、戦闘シーンの描写にも厚みが加わるのです。
セスタスは幼少の頃よりこのザファルに育てられ、生き延びるための拳闘を心身共に叩き込まれているわけですが、まずどうやら実の子どもではないようなんですね。
なぜザファルが自分の全てを懸けて、セスタスを守り生かそうとしているかは、タイトルが変わった第2部になった今でも、詳細には明かされていない・・。かれこれ10年以上気になってしょうがないし、涙無しには読めないエピソードが今後語られることでしょう。

 

ザファル先生だけでも10,000字は語れそうですが(最早ちょっとしたレポート)、他のキャラの魅力もハンパないんです!
闘技者として、セスタスのライバルとしての重要人物がデミトリアスの息子のルスカ。セスタスとは同年代。
デミトリアスの息子なので、当然総合格闘技を身に付けており、拳闘だけで戦うセスタスの壁として、幾度も立ちはだかります。父親は皇帝の親衛隊(衛帝隊)隊長のデミトリアスなので、身分には恵まれていますが、非情な父親のせいで、セスタスとはまた違った意味での過酷な運命を背負わされています。幼少期に皇帝の身代わりにされたりね。
もう一人の主人公と言っても過言ではないでしょう!

 

いい漫画って、主人公が二人いると思いません?一歩と宮田、ガッツとグリフィス、アッシュと英二、ユウとマサキ(ショウゴ)、信と政とかね。

 

他にも格闘キャラが軒並みカッコいいんです!やはり衛帝隊は人材豊富ですね。
ちょっとダークなキャラのマケドニアのソルレオン。格闘というよりかは暗殺術のエキスパートなので、裏で暗躍するシーンが多いのですが、マトモに戦っても最強説あり!
飛んでくる矢を素手でキャッチしたり、背中を殴って相手の心臓を止めちゃう無双っぷり。

 

中二ゴコロをくすぐりますよぉ。

 

そして<神速の住人>アドニス!本作には珍しい軽薄なチャラ男キャラですが、実力はピカイチ。
才能の権化で、対戦相手が触れることすらできぬ軽快な戦いっぷりは何度見ても爽快です。彼もまた、“優速”に頼るセスタスの強力なライバルですね。

 

そして忘れてはならないのが、影の主人公と言ってもいい皇帝ネロの存在です。
セスタス、ルスカと同年代。ローマの最高権力者であるからこそ命も狙われ、母との確執もあり、本来は芸術を愛する大人しい性分の少年としては、辛い出自となってます。最近になって、将来の<暴君ネロ>としての萌芽が出てきた感はありますね。

彼がいるからこそ、当作がただの格闘漫画でなく、当時のローマの文化や歴史を学ぶことのできる重厚な物語を成り立たせていると言えます。

 

最新のストーリーでは“ローマで一番強いヤツ”、を決める大会が催され、ますます熱い展開になってます。これまで戦った相手が集結したり、更に魅力的なキャラが現れたり!難しく読まなくても、純粋にアクションがめちゃカッコいいマンガです!