ザ本ブログ

読書をメインに。他、雑記などをアップしていきます。

"Les Misérables" Bille August / 『レ・ミゼラブル』1998年 アメリカビレ・アウグスト監督、リーアム・ニーソン主演

レ・ミゼラブルは中学生の時に本で読んで号泣した作品です。原作を訳したものを読んだのですが、辞書3冊ぶんくらいの分厚さなんですよね。読むのに一ヶ月くらいかかった笑。それだけ分量があって時間がかかるから、ラストで最初の頃のエピソードが語られると、それだけで泣けてくるんですよね。本当に重厚な作品です。

 

さて、今回テレビ放映されていたレミゼラブルは1998年の作品。何か1時間半くらいで終わったんだが、端折り感が半端ないぜ。エポニーヌも出てこないしさ。いったい誰向けに作った映画なんだろう。でもやはり原作がいいだけに、つまらなくはなく、最後まで見れてしまった。

 

でも本当に、ダイジェストみたいな作りです。時間のある方は、ぜひ原作の方を読んでいただきたい。

「天気の子」は現実感が増してるのに、ファンタジー設定がフワッとしてる?

流行っている映画は早めに観ることにしていまして。以前、「君の名は。」と、「シン・ゴジラ」を見逃したら、その後テレビ放送まで話題に乗れない病とネタバレに怯える病に苛まれましたからね!笑

 

個人的には「君の名は。」の方が面白かったかな?

自分のの中で、新海作品ランキングは下記の通り

1.言の葉の庭

2.君の名は。

3.天気の子

4.秒速5センチメートル

5.星を追うこども

6.雲の向こう、約束の場所

(あ、「ほしのこえ」だけ見てないことに、今気づきました汗)

 

「天気の子」は、「君の名は。」に、似てると言えば似てるのかな?舞台は現代日本。少年少女の恋愛感情を絡めて、各所にファンタジーを散りばめる。主題歌RADWIMPSだし。

自分は鈍い方なのでアレですが、前作より登場人物の年齢を下げてた割りに、妙に現実感が増して、その割りにファンタジー要素の設定がなんかフワッとしていて、観覧後はちょっぴり肩透かし感がありましたな。面白かったけど。

 

などと思ってたら、こちらの考察で初めて色々知りました笑

cinema.ne.jp 

前作のような大がかりなタイムリープ的な仕掛けでなく、細かい描写の中に、様々な意味があるんですねー。うん、正直めんどくさい!(笑)

映像は美しいし、キャラはそれぞれ魅力的で設定も作り込まれている。名作なんでしょうが、自分には刺さるものがあまりなかったかも。忘れた頃に、再度観賞しようかと思います。

クライマーズハイ

基本的に映画は予備知識なしで見るのが好きなんです。その方が驚きがあるので。
でも、その時の気分ってあるじゃないですか。ちょっと爽やかな映画を見たいなーとか。

そういう意味では、今回はちょっと失敗しました(^^;。

 

「クライマーズ・ハイ」

 

爽やかな登山映画なのかと勘違いして見始めたら、完全に日韓航空機の御巣鷹山への墜落事件。舞台は主に新聞社。
報道の現場を描いた作品でしたね。うん、完全に自分の見当違い。
内容としては、事故の記事をスッパ抜くかどうかとか、裏取りがどうかとか。
そのために、現場に行った記者が心を病んで死んだりしたりします。
そんで、現場でも会議室でもなんだか皆怒鳴りっぱなし。
あまり速報を求めてない自分としては、もっと楽しそうに働いて欲しいなぁ、と思うばかりですが。
社会的意義のためなのか、会社の利益のためなのか。
いずれにせよ、人が死ぬような仕事を止めて欲しいものです。
絶対に新聞社には入りたくないなと思う映画でした笑。これが現実にどれほど即しているかは、知りませんが。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(原題:Extremely Loud & Incredibly Close)

9.11のテロで、父親を亡くした少年が主人公の映画。

中々不思議な話だ。父親の遺品の中から、何やら意味ありげな鍵を見つける。数少ない手がかりを便りに、少年は様々な人を訪ね、ついには鍵穴を見つけるに至る。しかし、その鍵の正体は、少年が求めていたものではなかった..。

ってな感じのお話。

 

少年はアスペルガーの診断を受けており、少々コミュ障。それが故の率直な物言いが、ハラハラもするが可愛い部分もあるんですがね。亡くなった父親は、そんな少年を“対等”な存在として接していたようだ。というか描写をみる限り、父親も子どもっぽい感じがするので、少年の“友達”になるのにさほど苦労はなかったのかも知れない。

対して母親は少年の性質を、気がかりなものとして捉えていたようだ。いじめの描写もあるし無理からぬこと。父母どちらが正解というわけではなく、役割分担といったところか。

しかしそこまで思い至らぬ少年にとっては、“友達”である父親を亡くしたことは、ことのほかダメージが大きい。大人として、少年を案ずる母親との関係性は、“分担”ができなくなったことで崩れつつあった。

 

鍵を巡る旅で、少年は父や母のこと、また、自分達を取り巻く人たちの思いを少しずつ知っていく。タイトルの「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」は、感覚過敏の少年にとっての“世界そのもの”なのではないか。ただでさえ感受性の鋭い少年を襲った、受け止めきれぬ悲劇。そんな少年を父親の残した思いと母親の深い眼差し、そして人々の思いやりが成長させていく。

理不尽な事故に苦しむ人。社会とのズレに戸惑う人。そんな人たちのために、手向けられた作品なのかなと思いました。

オデッセイ (原題: The Martian) / 監督 リドリー・スコット、主演 マット・デイモン

友人にオデッセイを見たと話したら、「あのじゃがいもを育てる映画か」と言われた。そんなイメージなのね笑。でもあながち間違っていないかも知れない。

火星に事故で一人取り残された宇宙飛行士が、様々な困難を乗り越えて、地球に帰還するまでの話。以上です笑。
ストーリーに捻りはなく、映像と音楽だけで楽しませる。そんな映画も嫌いではないです。たまになら。

無人島に漂着して生き抜く、みたいな話は結構あると思うのですが、これはその火星版(宇宙版)。
無人島なら狩猟や採集、或いは農耕なども工夫次第では可能かも知れない。
しかしここは火星なので、動植物はゼロ。そもそも空気がないですから。
また島と違って、たまたま船や飛行機が通りがかることもない。そう考えると、絶望度は段違いですね。
頼みの綱の、装置や機材が故障して直せない場合も、即死と考えていいですし。

つまりは科学の力に頼ることになると。電力は太陽光で賄うとして、問題は食料。
かろうじて残っていたジャガイモを種イモとして、人糞をたい肥として土壌を作り、水素の化学反応で水を作る。
通信手段をなんとか復旧させ地球と交信し、なんとかピックアップしてもらう日時の段取りを取る。

この過程で様々な苦労はあるのですが、書いてしまえばこんなものです。
色んなレビューでも書かれていたのですが、この映画で印象的だったのは、音楽のセレクトです。
事故で一人取り残されたあと、唯一再生可能な音源が、リーダーの私物の音楽のみ。
それが80年代のディスコミュージック笑。

それが要所要所で流れるのが、案外楽しかったりする。最新の映像に80年代の曲がなんととなくマッチ。
危険な燃料を、車に積んで走らせている時に〇〇の、「HOT STUFF」が流れたり。
女性シンガーがサビで「熱いのを頂戴っ」って歌い上げてます笑。
音楽と場面とのリンクに注意すると、楽しみが増えるかも。

ラストの救助艇に拾われる場面も、ギリギリの設定で、最後までハラハラさせてくれます。
まあ助かるんだろうなと思って見てても、実際助かった時は不覚にもちょっと感動してしまった笑。アメリカ映画スゴイ。