介護に携わる方の本を読むと、いつも考えてしまいますよね。自分の親が倒れたら、どうしようって。  『ママを殺した』 / 藤真利子

いつかは誰しも訪れるはずなのに、なぜか考えたくない。自分の親は、自分は大丈夫と思おうとしてしまう。老いという現実から、目を逸らしてしまう。

 

また、老いを残酷たらしめるのは、個々の事情や考え方やその経過が、幾通りもあり、正解と呼べるものが、何一つないということだ。

 

昨今では美魔女などという言葉があり、若さを保つことに血道を注ぐが、果たしてそれは自然なのだろうか。個々の家庭の財政事情で、介護の質は変わってくるだろう。ポックリ死ぬのがラクでいいように思えるが、残された家族は、突然の別れに、何もしてあげられなかった想いに苛まされはしまいか。

 

またはこの本の作者の、藤真利子さんのように、壮絶な介護の果てに、本当はもっと楽に自然に逝かせてあげて良かったのではと、後悔することもあるだろう。

 

正解はない。ただ、備えることで、少しでも互いの納得に近づけていくことは可能ではないだろうか。途中で結論が変わってもいい。しかし、少しでもお互いの考えを知っておくことが、より良い終末を迎える、微かな標になるだろう。