ザ本ブログ

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原発のウソ / 小出裕章

2011年の原発事故当時は津波の報道も多く、情報が溢れすぎていてこの問題について、客観的かつ包摂的に考える余裕がなかった。

 

10年近く経過して、改めて原発事故を振り返ろうと軽い気持ちで本書を手にしたが・・・、改めてあらゆる情報の杜撰さと、自分も含めた我々の忘れっぽさに呆れ帰った。

 

次々と更新される“安全な被曝量”(より危険な数値に)。電力会社と政府、そしてマスコミによって作られた、嘘まみれの“原発安全神話”。賠償を渋る東電、それを助長するシステム。行き場のない、何万年も有害な放射性廃棄物。未だに処理の道筋すら見えない、福島第一原発。帰る場所を失った避難民。未だに稼働を辞めない、数々の原発。そしてその恩恵を被る、都会の人々。

 

もういろんなことが耳タコで、思い出したくもないし、興味もないかも知れないけど、全てが現在進行中です。

自分にできることはわずかだけれども、少なくとも忘れ去ることだけは避けたいですね。

 

ってかドラえもんは原子力で動いてる設定で、鉄腕アトムは原子そのものだよなあ。妹に至ってはウランだし。ホントみんなが、騙されていたんだね。まあ仕方ない、カルチャーは時代を映す鏡だ。負のバトンを受け取った我々世代が、次世代に何を引き継いでいくのかが肝心なのだ。